妥協なき“ものづくり”。その根底にあるもの。

機械と人をつなぐ。

コンプレッサにとって最も大事なのは「止まらないこと」。 圧縮空気が使えなければ、工場がストップしてしまいますから。 この「止まらない」を絶対条件として、省エネ性や信頼性、使いやすさなどをいかに高められるか。それが、我々のコンプレッサ開発の根本ですが、非常に難しいところでもあります。
『コベライアン』は、お客様が求める様々な機能を一つに集約して、それぞれの性能を徹底的に高めたコンプレッサ。「止まらない」はもちろん、省エネ性、メンテナンス性、使いやすさ、耐久性、静音性など、どの機能も文字通りハイエンドに仕上げられています。
特定の機能だけを見れば、『コベライアン』より高スペックなものは存在するかもしれません。でも、総合的な実力で『コベライアン』に勝るモデルは、世界でもまず見当たらないと自負しています。

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あらゆる機能を、さらなる高みに。

実は、一つの機能だけを高めるなら、それほど難しい話ではないんです。ところが、様々な機能を同時に高めるとなると、製品の開発は格段に複雑で困難になります。性能を上げたければ空気を圧縮するスクリュを大型化すればよい。でも、そうすると必要なトルクが増え、大きなモータが必要になり、コストが高くなってしまいます。こういったジレンマは無数にあって、開発のプロセスは「ここを改善すると、あそこがダメになる」といったことの連続です。
それでは、エネルギー効率、冷却効率、メンテナンス性、耐久性、コストなど、どの機能性も妥協することなく、すべてを高めるには、どうすればいいか? 複雑にからみあうジレンマを解きほぐすには、非常に高度なノウハウが必要となります。 その点、コベルコは100年以上前からコンプレッサを作ってきましたし、汎用機だけでなく非汎用の大型コンプレッサなども手掛けていることもあって、グループ社内にはそれこそ膨大なノウハウが蓄積されています。
そういった広く深い知見がベースにあるから、そこに新しい発想やアイデアを付け加えることで、技術的課題をより高いレベルで解決できるようになるわけです。 『コベライアン』をはじめ、私たちが手掛けるコンプレッサにはすべて、そういったコベルコだからこその知恵や技術が随所に盛り込まれています。
例えば空気を圧縮する「スクリュ」は、私たちの技術力が存分に発揮されている部分です。二つのスクリュや、それを覆うケーシングとの隙間はわずか数十ミクロン。それだけ緻密なものを、高速回転下でも、高温下でも、歪まず、安定して稼働させるには、非常に高度な技術を要します。また、いかに緻密な設計をしても、それを量産で再現できなければ製品化できません。その点においても、コベルコは高度な技術、独自のノウハウを数多く持っています。

「妥協」という選択肢はない。

「『コベライアン』は、2002年のデビュー以来、現行モデルで4代目となります。 グローバルモデルとして開発されたため、各機能の向上はもちろん、特に「耐久性」という面で大きく進化しています。 気温50℃での稼働を可能にするため、油冷式モータの開発をしたり、筐体内の熱気を効果的に排出できるように機器レイアウトを大幅に見直したり、かなり根本的なところから改善・改良を施しています。
開発の道のりは、なかなか厳しかったですね(笑) 目標の50℃目前で異常が発生して、設計からやり直し……なんてことは何度もありました。その都度、あらゆる要素を見直すんですけど、通気性を良くしたら、騒音が大きくなってしまったり、数多くのジレンマを経験しました。 でも、そのおかげで、三代目のモデルから大きく進化しましたし、かなり過酷な使用環境でも安心して使えるコンプレッサになったと思います。
開発は、とにかく試行錯誤の繰り返しです。でも、「妥協」という選択肢は基本的にはないんです。例えば温度に関していえば、実際に気温50℃で使用するお客様がいる以上、「49℃まででOKにしよう」と妥協しても意味がないんです。その他の機能も同じです。その機能、その性能を求めるお客様がいる以上、妥協したら意味がない。 それを必要とするお客様がいる以上、なんとかして実現するのが私たちの役割 だから、決して妥協せずに挑戦を続ける。 この姿勢は、開発も生産、コベルコの“ものづくり”すべてに共通していると思います。

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