コンプレッサをより知るために役立つ、圧力と空気量の基本的な知識をご紹介します。
ゲージ圧と絶対圧
私たちの周りにある大気も、実は圧力を持っています。空気は、それ自体の重さで圧縮されて、力を発生しているのです。これを ” 大気圧 ” と呼びます。この大気圧を考慮しない表記をゲージ圧、考慮する表記を絶対圧と言います。(それぞれ単位記号の後に“G”、“abs”をつけて表記することもあります。)通常、エア・コンプレッサの文脈では、特に断りがない限りゲージ圧を指します。当社のカタログは全てゲージ圧表記です。
空気量
コンプレッサの吐出空気量は空気の体積で表します。空気量を表す単位で最も一般的なものはm3/minで、“リューベ・パー・ミニッツ”と読みます。
吐出空気量は吸込み空気量で表すということも重要です。“吐出”と言いながら吸込み空気量で表すのは混乱しそうですが、コンプレッサ業界での共通ルールです。もう少し厳密に言うと、吐出空気量を吸込み条件に換算した値が、カタログ上の吐出空気量となります。この吸込み条件は、吸込む空気の温度、相対湿度を規定したもので、その値はメーカや規格により異なります。
空気量の単位でNm3という単位も使われます。ノルマルリューベと読みます。基準空気と呼ばれ、温度0℃、湿度0% 大気圧の状態の単位です。上述の通り、カタログの吸込条件は規格等で定められおり、カタログ空気量は通常Nm3では表現されません。カタログ空気量と基準空気では、周囲条件が異なるため、両者を比較するためには換算が必要になります。少し専門的ですが、下記の公式により、ある条件下での空気量を基準空気に換算することができます。
【基準空気への換算方法】
計算結果の通り、【温度:30℃、湿度:75%、大気圧】の10m3は基準空気では約8.7Nm3となります。
このように、周囲条件により空気量の値は異なるので、例えば設備の要求空気量が基準空気の場合には、コンプレッサの選定時に注意を払う必要があります。