コンプレッサとはCompress(=圧縮する)の名の通り、気体を圧縮して、圧縮空気を生み出す機械です。通常、コンプレッサは、0.1MPa(約1.0kgf/cm2)以上に圧縮できるものを示します。(ご参考:吐出圧力が10kPa未満のものをファン、10kPa~0.1MPa未満のものをブロワと呼びます。) 圧縮空気が使用される代表的な場所は工場で、ほとんど全ての工場で使用されると言っても過言ではありません。工作機械やプレス機などの駆動用、さまざま製造工程の動力源などに利用されています。例えば、金属加工を行う工作機械ひとつをとっても、工具の脱着、切り屑のエアブロー、ツールチェンジの回転や工具のスピンドル回転など、その使用用途は実に多様です。
圧縮空気の供給が止まると工場の生産がストップしてしまうため、コンプレッサは「工場の心臓部」にあたる機械と例えられ、生産現場において非常に重要な役割を担います。そのため、コンプレッサの導入にあたっては、納入地において十分なサービス体制が整っていることがポイントとなります。
また、コンプレッサは非常に多くの電力を消費することで知られています。工場全体で使われる電力のうち、約25%がコンプレッサによる電力消費と言われており、これは日本全体の消費電力の約5%に相当します。仮にコンプレッサを10年間使用した場合、ライフサイクルコストのうち電気代が占める割合は約80~90%程度にも及びます。これらのことから分かるように、省エネ性の高いコンプレッサの導入、さらには、ドライヤ、フィルタ等の周辺機器を含むエアシステム全体を最適化することは、製造コストの削減、ひいては脱炭素社会への貢献の観点からも極めて重要と言えるのです。